プロフェッションの爆散

基本的には医療従事者はみなプロフェッションであると思っていた。

つまり、医療従事者は医療知識の適用に際し独占権、自立兼、名声、経済的報酬を社会から与えられる。
これは同時に社会に対し力量を保証し、利他的な奉仕、道徳心と誠実さをもって業務を遂行することを意味している。そういう契約なのだ。
また、常に社会的存在意義を確保し向上させる必要がある。

前置きが長くなった。
バズったnoteがあまりにも冷静さを欠いていたので前回の記事で指摘した。
アクセス数ミジンコレベルの当ブログではあるが、はてなサービスが続くうち、そして私が個人特定されて爆発大炎上して涙目敗走で記事を消さない限り、自己規律としてweb上に証拠が残るのでいいのかなと思っている。

同一筆者による新しい記事が投稿されて、またバズったのかタイムラインに上がってきた。
https://note.com/yo_tsu_ya_3/n/nd83fab39b68c
ね。

この記事には大きな大きな問題がある。

以下引用
『朝起きて、「無理だ」と思ったらすぐ逃げてほしい。
スマホの電源を切って、鞄にパンツと歯ブラシだけ詰めて、堂々と公共交通機関を使って、安らげる場所に逃げてほしい。できれば、友人とか家族とか恋人とか、あなたを大切にしている誰かの元に。』
以上引用

逃げ出す際には公共交通機関を使用するのはなるべく避けた方がいい。そして安らげる場所へ逃げろとあるが、現状県を越えの移動することは慎むべきではないだろうか。
この二つ(特に後者)に関しては感染爆発が危惧される中、医療者にはいかなる言い訳も許されない。

逃げ出すまでは理解できる。そこは否定していない。
問題はなぜわざわざ外出しようというのかという点である。
この人でなし!サイコパス!という批判が来るかもしれない。
ちょっと待ってほしい。
誰しもが感染しているかもしれないこの日本において、安らげる場所や大切なだれかの元へウイルス直送便になる可能性があることを忘れてはいけない。逃げ出す場合のベストなチョイスは自宅引きこもり、これ一択である!

これはもう残念ながら仕方がない。個人としては投げ出して通勤方向と反対の路線に乗ってあてどもない旅に出たくなったり、そうだ、京都行こう、になる気持ちは理解しないでもないが、そのような認識の人をプロフェッションの一員として認めるわけにはいかない。

以下引用
『あなたも私も、生活の糧に医療職を選んだだけのごく普通の人間だ。専門職としてのプライドも信念も、たぶん奉仕精神みたいなもんも持っているけども、それは生業の範疇の話であって、食べていくために必要だから身に着けたのであって、言うなれば職業人としてのプライドだ。』
以上引用

もう一つの問題点はここだ。この認識は医療従事者ではありえない。
冒頭に書いたそれであるし。劣悪な環境であっても自らの社会的意義を守り向上するためにプロフェッショナリズムが発揮されなければならない。


ここで勘違いして欲しくないのが、あまりに劣悪で医療従事者の自己犠牲に成り立つものは医療とは言えないのもその通りである。
医療へのアクセスの容易さの担保、働き方改革など諸問題があるためシステムを構築しようというのがお約束なはずだ。
しかしながら現状緊急事態でそんなことを言っている場合ではない。ここも動かしがたい事実だ。
突っ込むつもりもないが、一度問題になった無給医は、おそらく今回の事態で膨大に膨れ上がっている可能性がある。
人命やらやりがいを人質にタダ働きさせるのはまったくもって不健全である。
しかし、今、このタイミングで活躍できないと社会的に医療従事者の存在そのものに不信感を招くのではないだろうか。
大阪府知事も、クラスター対策班も、官僚もみな一様に寝ている暇などないだろう。
難しい社会情勢だからこそ一般人は今こそ枕を高くしてスヤスヤ自宅で寝ていてほしいし、その分の安心安全を担保することが社会的使命ではないだろうか。

同情すべき点もある。

匿名の方のはてなで興味深い記事を見つけた。
https://anond.hatelabo.jp/20180709055614
https://anond.hatelabo.jp/20180709065932
https://anond.hatelabo.jp/20180709080702
この記事での問題点とは少し異なるが、おそらく看護学での倫理教育は近年整備されたものなのだろう。
そして元noteの筆者が実働何年かわからないが、それなりに長い期間勤務していた場合、倫理教育でカバーされる世代から外れる可能性は十分にある。
実際に働き始めると倫理なんてものはあって当たり前の世界で動くので、プロフェッショナリズムについての理解を深めるのは難しいかもしれない。そんな中プロフェッションとかいうトンカチで頭を殴るのはひょっとしたらアンフェアな話かも。

いずれにせよ、このような誤った医療従事者の倫理観が広まることに強く懸念を覚えるし、将来的に我々はプロフェッションとして社会から必要とされない時代が来るかもしれないとげんなりする。

最後に、マスクについて前回記事でそんなにエビデンスないのではとほざいたあほがいましたね?
もうまったく医療リテラシーのないあほはこれだから困るよ!!
https://n0buyouki.hatenablog.com/entry/2020/04/15/161424
ありました。しかもメタ分析。

心よりお詫び申し上げます。

そして有用な情報を発信してくださっているid:n0buyoukiさんに感謝申し上げます。


誰?偉そうにプロフェッショナル語った奴?
最新の知見を遅滞なくとりいれるのも重要な社会的責任だからね?